退職代理社長逮捕ニュースから学ぶ|医療者起業家が絶対に避けるべき「グレーゾーン」の正体

2/12/2026

【医療従事者のセカンドキャリア】 【事業構築】

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なぜ私は衝撃を受けたのか――退職代理「もう無理」逮捕報道を見て

最近、退職代理サービス「もう無理」を運営する企業の運営陣が逮捕されたというニュースが報じられました。

理由は、弁護士紹介をめぐる金銭のやりとりです。

私はこの報道を見て、大きな衝撃を受けました。

退職を言い出せず、心身ともに疲れ切っている人にとって、退職代理はまさに救世主のような存在です。

第三者として、

「すごい仕事をされているなぁ」

と、純粋に尊敬の念すら抱いていた社会的意義の高い事業でした。

だからこそ、思わずこう口にしていました。

「え?逮捕?」

そして、次に湧き上がったのがこの言葉です。

「弁護士、周りにたくさんいるよね?
誰もアドバイスしてくれなかったの?」

最終責任は経営者にあります。
それは大前提です。

しかし私は同時に、こうも感じました。

法の専門家が周囲にいるはずなのに、
なぜ最後の一線を越える前に止められなかったのだろうか、と。

私たちが学ぶべきこと

― 権威性マーケティングが生むグレーゾーン構造 ―

これは医療者起業家にとっても、決して他人事ではありません。

そして同時に、一般の起業家にとっても同じことが言えます。

最近、「脳科学的に証明」「最新エビデンス」「医学的アプローチ」といった言葉を前面に出したサービスが急増しています。

もちろん、真摯に研究を重ねている方もいます。

しかし一方で、専門用語が“権威付けの道具”として使われているケースも少なくありません。

脳科学、量子、潜在意識、ホルモン、神経伝達物質――
言葉は強い。
だからこそ、扱いを間違えると危険です。

問題は、提供者が悪意を持っているかどうかではありません。

消費者がどう受け取るか。

ここを軽視した瞬間に、ビジネスはグレーゾーンへと足を踏み入れます。

「医学的」「科学的」という言葉は、強い信頼を生みます。

その信頼を曖昧な根拠で利用することは、
たとえ違法でなかったとしても、倫理的には極めて危うい。

今の時代は、情報の流通が速い。
同時に、信頼が崩れるスピードも速い。

一瞬の集客よりも、長期的な信用を選べるかどうか。

そこに、起業家の覚悟が問われています。

黒か白かを分ける決定的ポイント

ビジネスがきわどい領域に差しかかったとき、判断基準は極めてシンプルです。

消費者が誤認する可能性があるかどうか。

これが分水嶺です。

たとえ「医療ではありません」と明記していても、

・医学的用語の多用
・効果を示唆するキャッチコピー
・劇的な改善事例の強調

これらが組み合わさることで、消費者が「治療効果がある」と受け取れば、医療広告違反と見なされるリスクが生じます。

グレーゾーンビジネスの本当のリスク

医療従事者が非医療サービスを展開する際、最も危険なのは「グレーゾーン」に安易に踏み込むことです。

最近では、非医療サービス販売を支援する専門的な広告ライティングサービスも存在します。

しかし、忘れてはならないのは、

責任は常に提供者本人に帰属する

という事実です。

行政指導、業務停止、資格問題――
リスクは決して理論上のものではありません。

安全な非医療サービス構築の鉄則

・非医療のラインを明確に定義する
・表現を第三者視点で徹底的にチェックする
・誤認可能性を限りなくゼロに近づける

「白」を積み重ねる経営こそが、長期的な信頼を築きます。

私自身、医師として非医療のメンタル思考トレーニングを立ち上げた際、何度も立ち止まりました。

「これは本当に大丈夫か?」
「誤解を生まないか?」

そう自問自答しながら、線を引き続けてきました。

起業家として羽ばたく前に

起業家として羽ばたく前に。
そして社会的信用を守るために。

攻める前に、まず守る。

まず、守るべき一線を正しく知っておいてください。

信頼は、築くのに十年。失うのは一瞬です。

Dr.EKO博士

Dr.EKO博士(YAEKOFU)

医師・医学博士。スタンフォード大学PM&Rスポーツ診療の研究医を経て、 現在は医療の枠を超え、Thrive・ウェルネス・ヘルスコンサルタントとして活動。 心身の回復力と自己変容を支援しています。

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