この記事のポイント:2024年、日本の医療機関の倒産・休廃業件数が過去最多を更新しました。Dr.EKO博士(整形外科医・医学博士)が、数字の裏側にある「医療の公共性が解体されていく構造」と「医療人材の再配置」を読み解き、私たち一人ひとりにできる備えを考えます。
はじめに──いま、日本で何が起きているのか?
皆さん、ご存知でしょうか。今、日本では医療機関の倒産・休廃業が過去最多を更新しています。それも、小さな診療所だけでなく、大きな病院までもが次々と閉鎖に追い込まれているのです。同時に、中小企業の倒産件数も過去最多──。この現象を「単なる景気の問題」と片づけてよいのでしょうか?
私は、決してそうは思いません。この動きの背景には、医療を“数の上”で整理し、人材を選別・再配置する明確な意図と政策のにおいを、感じずにはいられないのです。
医療崩壊の静かな進行──数字が語る"異常"
2024年、全国で報告された医療機関の倒産・休廃業件数は、いずれも過去最多を記録しました。
医療機関の倒産・廃業データ(2024年)
- 倒産件数:64件(過去最多)。原因の64.1%が「収入減少(販売不振)」
- 休廃業・解散件数:722件(過去最多)。内訳は診療所587件、歯科医院118件
- 負債総額:282億円超(前年比11.3%増)
- 経営者の高齢化:診療所経営者の54.6%が70歳以上
背景にある複合要因
- 診療報酬改定が物価・人件費の上昇に追いつかない
- 補助金・支援金の打ち切りによる経営悪化
- 若手人材の流出と後継者不在
- コロナ禍による経済疲弊の後遺症
これらが複合的に絡み合い、医療機関が"静かに"消えているのです。
医療人材が"浮遊"するということ
医療機関が閉鎖されると、当然ながらスタッフが職を失います。医師、看護師、技師、事務職…数多くの専門職が"行き場"をなくすのです。仮に100人が一斉に放出されたとしましょう。その中には、とびきり優秀な人材が必ず含まれています。
特に、大病院の中ではその能力を十分に発揮できなかったが、個人クリニックで圧倒的な信頼を築いていた──そんな医師たちは、私の周囲にも多く存在します。そういう人材は、お金で釣れるような存在ではありません。理想や信念を持ち、患者と向き合う力を持った"本物"です。
"選ばれし企業"が医療人材を囲い込む時代へ
企業が求めているのは、高度なスキルと信頼性を備えた医療人材です。できるだけコストを抑えて、それを自社の付加価値として組み込みたい。
企業に専属の医師がいれば──
- 従業員の健康管理が徹底され、生産性が上がる
- 福利厚生としての魅力が増し、採用力も向上する
- 社員が医療費で困らずに済み、労働の安定性も向上する
- 結果として、企業の利益が増える
- 企業の利益が増えれば、納税額も増える
つまり、医療人材の再配置は、企業の利益と国家の税収に資する"構造化された戦略"と考えざるを得ません。
「医療の公共性」が静かに解体されていく
このままでは、医療の形は大きく変わっていきます。地域で信頼されてきた小さな診療所が消え、医師や看護師は一部企業に吸収され、医療が"公平な権利"から"所属の恩恵"に変わる──これは「医療崩壊」ではなく、ある意味での医療の私物化です。そして、この動きは粛々と、しかし着実に進行していくのです。
最後に──私たちにできること
私は、どこまでも信じています。日本の医療人材は、世界に誇るべき存在です。こんなに安価で、こんなに真摯に、こんなにも高品質な医療と心を提供できる人材は、世界中探してもいません。
でも、その尊い力を守るには、ただの"感謝"では足りないのです。いま、必要なのは「気づくこと」。そして、静かに進行する"医療の選別"に対して、一人ひとりが自分の立場から考え、行動を選ぶことです。まずは、「自分の健康は、自分で守る力」を身につけることではないでしょうか。
問い
あなたの地域医療は、5年後もそこにあるでしょうか?私は「ない」を前提に、準備を始めています。セルフケア一択。
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※本記事は情報提供を目的としており、医療行為・心理療法ではありません。個人の感想であり、効果を保証するものではありません。
最終更新:2026年4月