クリニック開設を考える医師にとって、最初の選択肢は「保険診療か自由診療か」です。この選択によって、審査機関・建物要件・必要なシステムがすべて変わります。
Q. 保険診療と自由診療、開設手続きはどう違うのか?
保険診療の場合
近畿厚生局が管轄します。建物審査は最寄りの保健所と厚生局の両方から審査を受け、抜き打ちチェックも行われます。審査は厳しく、建築または賃貸契約の前に保健所と厚生局の両方へ事前相談することが必須です。
自由診療の場合
最寄りの保健所からの審査とチェックのみです。出口と換気扇があればokという水準で、保険診療より要件が大幅に緩くなります。田舎では保健所の審査が担当者によって異なる部分があることも覚えておいてください。
遠隔医療・健康相談に限定する場合
クリニックの建物がなくても可能です。株式会社や個人事業主として運営できます。ただしクリニック院長は自動的に個人事業主扱いになります。
小規模クリニックを複数運営したい場合は、個人事業主・医療法人・社団法人のいずれかが必要で、株式会社での複数運営は不可です。
電子カルテ(電カル)4社比較
次に重要なのが電子カルテと決済システムの選定です。薬を処方するかどうか、診断書・紹介状の書類作成を行うかどうかによって最適なシステムが変わります。保険診療ならレセコン(レセプトコンピュータ)が必須です。
m3デジカル+デジスマ診療
電子カルテ機能はm3デジカルを別途利用する形で、デジスマ診療との組み合わせになります。月額11,800〜24,800円。決済手数料は1.58%(前払い)と2.95%(後払い)。前払い・後払いの両方に対応しています。
CLIUS(クリアス)/ 株式会社DONUTS
電子カルテ機能を内蔵しています。月額1.2万円(初期費用20万円)または1.98万円(初期費用0円)。STORES決済とリンクした場合の手数料は1.5%と最も低水準です。前払い・後払い対応。
Clinics(クリニクス)/ 株式会社メロディー
電子カルテ機能を内蔵。月額1.5万円(初期費用10〜20万円)。決済手数料3.45%で事前クレジットカード登録による後払い方式です。
メディカル革命 / GMO医療予約技術研究所株式会社
電子カルテ機能なし。月額2.2万円(初期費用30万円)。チャット機能・LINE連携・オンライン診療の追加オプションが各10万円。決済機能の追加費用は0円。前払い・後払い対応。
選び方の基準
「医療もDX化」と謳われる時代ですが、テクノロジーが苦手でもアナログ的なケアが卓越した医師もいます。医療の本質はアナログです。デジタルが入ることで便利になる部分と、手が空いた分をアナログケアにさらに充てる部分を明確に使い分けることが重要です。
各業者ともにデジタル苦手向けプランとデジタル得意プランが用意されています。後者は問い合わせをしないと提示されないことが多いため、積極的に確認してください。身の丈に合ったシステムから始めることが長続きの秘訣です。
最終更新:2026年4月
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※本記事はYAEKOFUコンテンツを元に作成しています。